2024.11.05Vol.661 『志同く』が暗示する志高塾の現在地
先週、「期待をちゃんとした上で、イライラしないように気持ちをコントロールできるようにするのが、二男に対して今親としてするべきことなんだな」と書いた。私は時に、この『志高く』を決意表明の場として利用する。格好良く言えば、言ったからにはやらないと、と自分を追い込むためなのだが、特段大きな目標を掲げるわけではない。タイトルからも分かるように前回の続編ではない。他に書きたいことが出て来たというのもあるが、せめてもう一週間経過観察をしようとなったことも関係している。二男のやる気のない態度に改善が見られないどころか私が何も言わなくなったことで悪化すらしている気がしているが、現状、不思議なぐらい腹は立たなくなっている。次回は、後編をお届けできるはずである。
マラソンや駅伝で這いつくばってでもゴールをしようとしたり襷をつなげようとしたりするシーンというのを映像で見ることがある。それらに共通しているのはランナーの意志の強さである。後者はそれに責任感が加わる。個人競技では無いからだ。約1年前に始めた社員のブログ『志同く(こころざしおなじく)』において、3人の社員間で襷がつながらない。2023年12月にHP上の『志同く』のページで私は以下のように述べている。
2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。
(中略)
航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。
社歴が長い順に、竹内、三浦、徳野であり、ブログの担当もその順番である。先週の金曜の段階で各13回ずつ担当する機会があったのだが、残念なことに期限を守れている(金曜日にHPにアップできている)のは三浦のみであり、竹内と徳野はそれぞれ複数回破っている。つまらない自慢をすると、私はこれまでただの一度も日をまたいだことは無い。また、竹内に関しては一度無断で文章を飛ばしている(それゆえ、本来であれば13回/人×3人=39回となるはずが、1回少ないため先週の時点でVol.38である)のだが、その次の回で謝罪することはおろか触れることさえしなかった。
プロスポーツの監督が新聞記者などを使って選手に間接的に不満を伝えるのと同じようなことがしたいわけではない。ここで書いていることはこれまで2人にはその度ごとに話してきたことであり、また昨日の時点で、「明日は前回の続きではなく、『志同く』の期限を守れていないことなどについて書くから」と私の口から直接伝えている。先週、週1回の小学校での授業の際に、「スパイって何から一番情報取るか分かる?」と尋ねたところ、一人の女の子が「新聞とか」と答えた。各国の情報機関は、諜報活動の9割以上を、新聞・雑誌・テレビ・インターネットなどのメディアなどから情報を得る「オシント」(OSINT; Open source intelligence)に当てると言われている。映画で見るような、協力者を使う「ヒューミント」(HUMINT:Human intelligence)や盗聴器を仕掛ける「シギント」(SIGINT:Signals intelligence)は合わせて1割にも満たないのだ。ちなみに3つに共通している”intelligence”とは日本語の「インテリ」とは違い「情報」という意味である。もし、毎週金曜の『志同く』を楽しみにして下さっている方がいるとすれば、金曜にアップされないことに気付いたり何のお知らせも無く順番が飛んでいることに疑問を持ったりするはずなのだ。そうやって読んでくださる方がたとえ一人もいないとしてもいい加減な現状は許されることでは無く、0であるのなら1に、そして5に10にとファンを増やして行かないといけない。三人三様という言葉があるようにそれぞれの個性が良い方向に出て相乗効果が生まれたり、三人寄れば文殊の知恵という言葉があるように、三人ともが同じテーマについて3週連続で書くなどの工夫をしたりするから、来週も読んでみようかな、と思っていただけるのだ。また、ジャズのように即興で、と表現すると大げさだが、何の決め事も無しに前の内容を受けてリレー形式で、いや駅伝形式で次へ次へとつないでいくこともできる。
内容についての話をすると、「Vol.38自分の形は削らない」に関して、「わざわざ時間掛けて読んでくれた人に何を得て欲しいと思ってあれを書いたのか?」という質問を徳野にぶつけた。それを意識していないので答えられなかった。もう1つ、「あれだけ小難しいことをぐちゃぐちゃと書いたら、良くない意味で徳野さんらしいな、って思われてまうで」と苦言を呈した。これは随分前の話にはなるのだが、時間割に無い生徒が振替授業の日を間違えて来たときに彼女がそのまま帰したことがあった。そのようなときは、その生徒が忙しいかどうか、家から教室までどれぐらい時間が掛かるかなどを考慮した上で判断をしなければならない。もし、自転車で10分ぐらいのところから来ていて、他の習い事などでスケジュールが埋まってないのであれば、「悪いけど、今日は先生に余裕が無いから帰ってもらっても良い?」としてもそれほど大きな問題にはならないが、ある程度遠い所から来ているのであれば「添削でちょっと待ってもらわなアカンかもしれへんから、90分ではなく120分ぐらいになるかも知れへんけど、折角来たんやから授業やろか」などの提案をすべきである。それに留まらず、親御様が車でお迎えに来られるのであれば、電話をして、事情を説明しなければならない。今、ちょうど半年に一回の面談の時期である。私は親御様からの相談に基本的にその場で解決策を提示する。そして、これまでの経験上、間違えたことを伝えてしまった、と後から訂正が必要になったことはほぼゼロである。その解決策が一般的に優れているかどうかはさておき、私の答えは時間を置いたところで変わらない。私の頭の回転が速いからそのようになるのではなく、これまで文章を書く時に教育、子育てに関する様々なことをいろいろな角度から考えて来たからできるだけの話なのだ。教室内で起こる出来事に、咄嗟に正確に対応するためには教室外での訓練は欠かせず、『志高く』、『志同く』はその絶好の機会なのだ。
自主性に任せる、という美名のもとに社員の日頃の仕事に対して管理を怠って来た私の責任は大きい。それに対しては、今後どのように対策するかは先週社員に伝えた。『志同く』を通して、我々が人間的に成長したことを披露することをここに約束する。