2024.07.02Vol.644 解凍未遂
コストコで肉や魚を大量に購入し、すぐに使わないものは小分けにして冷凍庫に入れて保存する。今日はステーキ、となれば、必要な枚数だけ取り出して解凍し、冷蔵庫を覗いて付け合わせに使える野菜を探し、足りないものは買い出しで補う。この欧州旅行記の話をしているのだ。料理の話をしながら、俺、何だか村上春樹っぽい、なんて思ってみたのだが、彼の作品にコストコは出て来ないだろうし、メニューももっと繊細でおしゃれである。帰国直後に向こうで気になったことや考えたことを単語や短文などで書き残した。その後、それらに関する記事をネットニュースなどで見かけると、そのURLも合わせて保存した。それらを踏まえて「次は何について書こうか」とテーマを決める。たとえば、「欧州旅行記 ~性差~」はずっとスタンバイしている。
今回、冒頭に「旅行記をもっと二休み。」の一文を持ってくる予定にしていたのだが変更。ブログで扱えるかどうかボーダーライン上の内容だったので、内部配布の方に回すことにした。具体名を挙げないものの、ある大手塾に関するものだったからだ。「ボーダーライン」の前に「瀬戸際」という言葉が頭に浮かんだのだが、「使い方間違えてるよな」と意味をググろうとしたら、検索ページに東洋経済オンラインの「村上春樹『風の歌を聴け』が描く戦後日本の虚無感」というタイトルの記事が出て来た。『風の歌を聴け』は読んだはずなのだがまったく記憶に無いので、再読しようと教室の本棚を探したが見つからなかった。家にも無ければ購入するしかないので、忘れないようにアマゾンのカートに入れておいた。読了した後であれば、記事の中で述べられていることをもう少しきちんと理解できるはずなので、自らの備忘録のためにもURL を貼り付ける。
https://toyokeizai.net/articles/-/760742
公立高校に通う高一の生徒から、「先生、社会、何を取ったら良いですか?」と尋ねられ、「俺は楽やからという理由で地理を取ったけど、大人になって、ビジネスの場などでちゃんとした人とちゃんとした会話をするのであれば間違いなく世界史。高一の長男、理系と文系のどちらに進むかはまだ決めてないみたいで、そのことについて一切口出しはしてないけど、社会に関してだけは世界史を強く勧めている」ということを伝えた。息子が理系に進むことになったら、選択肢の広さから「よほどの理由がない限り、物理、化学にした方が良い」と理科についても助言するはずである。さて、その長男、夏休みの間に学校からオープンスクールに行くことを義務付けられているとのこと。学力はさておき、せっかく時間があるので東京に行って来たら、という話をした。本人が調べたところ、文系の一橋が8月5日、理系の東京工大が7日に説明会のようなものがあるらしい。一橋には長男の高校の先輩でもある男の子が3回生にいるので、お母様経由で連絡を取り、可能であれば会って話を聞かせてもらえれば勉強になるはずである。他の生徒ではなく我が子のために伝手を使うことに若干のためらいはあるが、それを横に置いておくと、元生徒の近況を知る良い機会にもなる。インターンや就職活動について、彼がどのような会社に関心があるのか私自身興味がある。なお、東工大に関しては、第一志望にしている高3の生徒がいるので、この前の授業の際に、「現役で合格してや」と発破を掛けておいた。そうすれば、来年以降は東工大を目指す生徒の橋渡しもできることになるからだ。話を戻す。中日の6日を含め、空いている時間に、オンラインしかない東大と、1年ほど前に私が初めて近くを通りかかりきれいさに驚いた早稲田と、ついでに慶応も見て来たら、とアドバイスした。東京の私立大学に行かせる余裕は我が家にはないので雰囲気を感じるだけにはなる。長男が、東京に行くかもしれないということを友達に伝えると、俺も一緒に、という話になったらしいのだが、「一人で行った方が良い」と止めた。二泊三日でも三泊四日でも良いのだが、高一にもなったので、大学だけではなく、自分のペースでいろいろと見て回って欲しいからだ。ちなみに、浪人時代の仲間の何人かは滑り止めに早慶を受けていたが、時間がもったいないのでそのような選択はしなかった。私は京都の私大を受験したが、それは京大本番のときと同じホテルに泊まって試験を受ける、ということの練習をしたかったからだ。それゆえ入学金も入れていない。京大や阪大がダメで、結果的に早慶に行った仲間が何人かいる。早慶で止まったとも言えるのだが、もしかすると、その時間を第一志望の対策に充てていたら滑らなかったかもしれない。直前の本人の成績や、本人や親御様の希望、不安などを踏まえる必要があるが、もし、第一志望の合格が手の届くところにあるのなら、私はそのことだけを考える。特に中学受験の場合はそうである。前進するために一度後退するのは良いが、大学受験も含め、その後もここぞというときに守りに入る癖が付きかねないからだ。先週末、中学受験生の親御様から、学校見学について聞かれ、「2~3校も行けば十分です。オープンスクールぐらいでは学校のことは分かりませんし、何よりもの情報は、現在通っている、もしくは通っていた生徒や親からのものです。また、子供に合った学校を見つけるというより、そうでない学校を選択肢から外すことに役立つはずです」と答えた。遠い所にある学校であれば、実際に乗り継ぎなどをしてみて、「これなら通えそうだ」、「思ったよりしんどいな」ということを経験することの方が、雰囲気を感じることよりも重要かもしれない。
冷凍庫から「二条城大政奉還」、「フランクフルト神聖ローマ帝国戴冠式」を取り出し、電子レンジに入れ、半解凍のボタンを押す寸前にもう一度戻した。それに伴い、タイトルは「欧州旅行記 ~歴史~」から現行のものに変更になった。結局、二休みしたことになった。