2021.02.16Vol.483 短いお話
「『十人十色』番外編」ファンの皆様大変申し訳ございません。今回は小休止です。
本題に入る前に。高槻校の開校に伴い、HPの変更も必要になる。このブログでも紹介した開校以来の付き合いである広告会社の方から、作業が2段階に分かれるため、それぞれが終わり次第といった形で分割払いにするのと、それとも一括にするのとどちらが良いかをメールにて尋ねられた。「自転車操業ですが、頑張ってまとめてお支払いいたします。」と一文で送ったら、「自転車の性能が相当高いので、今後ともよろしくお願いします。」とこれまた一文で返って来た。出会って14年経つが、こういうしょうもないやり取りをできるだけ長く続けられるようにお互い発展していきたいものである。
さて、「話が長い」と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは誰だろうか。私の中でぶっちぎりの1位は「校長先生」である。実際の問題は、「話が長いこと」ではなく「話が長く感じられること」だ。その理由の1つに何度も同じことを聞かされる、というのがある。もちろん、重要なメッセージであれば繰り返す必要はあるが、今回のコロナの自粛要請からも明らかなように回数を重ねるほどその効力は薄れる。それゆえ、本来であれば伝え方に工夫が求められるのだが、それが皆無であるがために退屈する。後ろ向きで聞いたことに効果などあろうはずがない。ある生徒が「うちの校長、めっちゃアホやねん」とぼやくので、「何でなん?」と尋ねると「この前、全校集会で君たちに伝えたいことが3つあります、とか言いながら、どう考えても2つしかしてへんかった」と返ってきた。中身のない話をするのであれば、せめてこれぐらいの話題提供をして欲しいものである。
もう7, 8年ぐらい前のことになるだろうか、人材系の会社を経営されている生徒の親御様から依頼され、大学3回生向けに就活関連のセミナーを受け持ったことがある。1コマ90分で2コマ、確か、最初の2, 30分で私の体験談などを話した後に課題を与えて、グループディスカッションに移るという流れであった。その2コマで生徒は完全に入れ替わるので、冒頭でまったく同じ話をしても良かったのだが、大学の就職支援課の方などはそのまま居続けるので彼らに申し訳ないのと、そもそも自分のためにならないと考えて別のエピソードを用意した。日頃からそういうことを意識して訓練しておかないと、親御様に何かしらの相談を受けたときに、いつも同じようなことを伝えるばかりで適切な返答ができない気がしている。そのように考える私なのでこのブログでも、できる限り同じ話をしないように気を付けている。ただ、訴えたいことがたくさんあるわけでない。代表的なものに「自分で考えることの大切さ」がある。読んでくださっている親御様に「ああ、なるほど」と思っていただけるようなものでなければならない。そのためには、多様な具体例を用いながら、それを繰り返し訴えることになる。それによって、その考えが少しずつ浸透して行き、子供への働きかけが変わるのだ。私の話に最低限の説得力があれば、「分からないものをいくら考えてもどうせ解けないんだから、そんな効率の悪いことをせずにさっさと解説を読んで理解して、次に似たような問題が出たら解けるようにしなさい」と否定的な言葉掛けをしていたのが、「解き切れなかったけど、惜しいところまで行けたね。前よりも諦めずに粘り強く考えられるようになって来ているから、それを続けてたら自然と解ける問題も増えてくるよ」と肯定的なものに変わる可能性がある。
森喜朗の女性蔑視発言について話を展開して行く予定が、まったく違った方向に行ってしまった。長くても中身が詰まっていれば何の問題も無いのだが、その自信がないのでいつもより随分と短いが今日はこれにて終わりにする。