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2020.06.09Vol.449 お片付け

 うまく行かないことが多い、と相談を受け、バシッと一言。「オセロじゃないんやから」。その相談者、できていることの方が断然多いのだが、そうでないことが少し重なっただけで悩みを抱えていた。黒に挟まれたからと言って、白が黒に変わるわけではない。その逆もしかりである。ちょっと良いことがあったからと言って、その他多くの悪いことがチャラになるわけではない。白が多くても黒があれば反省すべきで、黒が大半を占める中、白を手にしたのならそれをエネルギーにして1つずつ白に変えて行けばいい。もちろん、中には黒のままで良いこともあるので白で埋め尽くそうなどと考えないことである。我がことに関して言えば、「いやぁ、この黒がアクセントになってる」などと考えているから、成長の速度が鈍いのかも。結果的に30分ぐらい話しただろうか。9割は私が口を開いていた。最後の方になって「相談するときって、ただ単に聞いて欲しいだけってことあるけど、俺全然そうじゃないな。でも、あれか。黙って耳を傾けて欲しくて俺に相談する人もおらんやろうから、俺はこのままでいいんやろな。じゃ、また何かあったらいつでも言って」。安定の黒である。
 この文章のタイトルを「オセロ」にしてもいいんじゃないか、と思えるぐらいの会心の例えである。人生の中で3本の指に入ることは疑いようがない。ダントツの1位は浪人生の頃。これは随分前に一度書いた。同級生の女の子から「勉強できる人のやり方をいろいろと真似てみるけど、なんでうまくいかへんねやろ?」と理由を聞かれて、私は絵を例に説明した。「自分の左側に山をうまく描いている奴がいて、それを覗き込みながら自分の手元も見ずにそれを真似る。右側を見ると、海を上手に描いている奴がいる。そして、今度はそれを真似る。できあがった、と自分の画用紙を見ると、山と海が混ざったぐっちゃぐちゃなものになってる。それと同じやで」と。そして、「まずは自分が何を描きたいのかを決めて、その2人の絵がうまく見える理由、そのエッセンスのようなものを掴んで自分の絵に生かさなあかん」と続けた。よくよく考えたら、その子、私の絵には全然見向きもしていなかった。なんでやろ?20年以上たって、それが一番の原因のような気がしてきた。
 「ベンチマーク」の話は続いて行く。新入社員のとき、上司や先輩社員がその言葉を最もらしく使っているのを聞きながら、違和感を覚えていた。「ベンチマーク」の説明として、次のようなものを見つけた。「優良企業の優れた手法を分析・学習し、自社に取り入れること」。これって、浪人時代の同級生と同じである。「自社がどうありたいかを思い描いた上で、優良企業の・・・」であるべきなのだ。コロナ対策は、「ベンチマーク」を実践するいい機会である。過去に例がないことなので、うまく行っているところのものは参考になる。ただ、やはりまずは目的を持って(経済と健康のどちらを重視するのかなど)、その上でうまく行っている国、地域の要因分析をしていく必要がある。当時の私の違和感の原因は、「どうなりたいか」が欠如した話を聞かされていたからなのだろう。
 「マッチポンプ」の前に、「需要と供給と価格の関係」の話を挟もう。今回のマスク不足から余剰になるまでの価格の推移というのは小学生でも、実体験を伴って理解できる絶好の機会である。我が子に対しては、ガソリン価格の下落について説明した。工場が動かなくなり、飛行機や自動車での需要も減ったため、値段が下がっているのだ、と。長男には何年か前にみかんの話もした。豊作の年にあえて廃棄する理由を教えた。子供の感覚では、全部売った方が得、となるのだが、市場にたくさん出回ると値段が下がるため、廃棄したりジュースにしたりする。廃棄することで輸送コストも抑えられる、というような説明をした。
 さて、「マッチポンプ」。中国のマスク外交は正にそれである。「マッチポンプ」というのは、自分で火を付けて自分で消す、という意味で、いわゆる自作自演である。また、コロナワクチンを中国が初めに開発したとしたら、それもやはりそうである。数か月間情報を開示しなかったのだから。試験で言えば一人だけ先に問題を与えられたようなものである。
 今回、「Vol.438 ビミョーに大きな差」で話題にした「メディカルシップ構想」にも手を付ける予定であったが、字数が多くなったのでもうしばらくクローゼットの奥の、目に付かないところに押し込んでおく。
 最後に、最近あったすごく嬉しいことを紹介して終わる。7月1日よりコンビニ袋が有料化されることとなった。1年ほど前、環境ゴミをテーマに作文をさせた際に、スーパーの袋の話では当たり前すぎるので他に何かないかと考えさせたところ、生徒が出したものがそれである。添削の際には、一緒にいろいろ考えた。スーパーの袋はゴミ袋として再利用されたりするが、コンビニのそれは捨てられるだけのことの方が多いのではないか。スーパーでもマイバックに詰めてくれることはあるが、コンビニだと購入品数も少ないから「お願いします」と手渡せば、簡単にしてもらえて手間も余計にかからない。一方、箸やスプーンは従来通りいがいい。マイ箸だと洗う必要があるので、それはあまり現実的ではない。その生徒に、松蔭先生から白を1枚プレゼント。

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