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2018.08.07Vol.361 オーガニックオーガニゼーション

 組織って有機的でないといけないよなぁ、と考えたのだが、「有機的な組織」を英語で表すと“Organic Organization”となる。ちなみに、WHO(世界保健機関)やNPO(非営利団体)などの”O“は”Organization“の頭文字を取ったものである。いくつかの辞書で調べても、“Organic”と“Organization”のつながりについては書かれてはいなかったのだが、この2つは間違いなく関係している。そう考えると、“Organization”には、元々”Organic“の意味が含まれているので、“Organic Organization”だと「腹痛が痛い」、「違和感を感じる」みたいなもので、意味が重複することになってしまう。組織とは有機的であることが大前提なのだろう。
 「有機的」は辞書に「有機体のように、多くの部分が緊密な連関を持ちながら全体を形作っているさま」とある。「有機体」とは生物のことである。有機の対義語は無機である。私がイメージする無機的な組織というのは、ある面上に点が存在していて、他のどれか1点としか結びついていない状況である。たとえば、A, B, Cの3点があれば、AとB、BとCがつながっているだけで、そこに線は2本しか存在しない。一方で、有機的な場合、AとCの間にも線は引かれるので合計で3本になる。3点しかなければ1本の差しかないが、これが6点だと前者は5本、後者は15本(6角形の辺と対角線の本数の和と同じである)となる。そこに新たな1点が加わった場合、前者は1本だけだが、後者はその新たなものが既存の6点すべてとの間に関係ができるので6本増えることになる。点の数が増えるほど、緊密度の差は大きくなっていく。
 この週末、2泊3日で家族と母を連れて、伯母が会員になっているホテルに宿泊してきた。晩御飯の際、長男が箸を落としたので代わりのものを頼んだのだが中々持って来てもらえず、別の人にお願いしてもだめだったので、本人に取りに行かせようとしたところ、そのタイミングで手渡してもらえた。間違いなく5分はかかっていた。念のために断っておくが、基本こういうことに腹を立てたりはしないのでクレームをつけることもない。そんなことより、なぜそういうことが起こったのか、の方に興味がある。おそらく、箸を取りに厨房の方に戻ったが、そこで新たな指示を受けて、頭から抜けてしまったのであろう。同じことを繰り返さないようにするためには、個人の能力頼みではなく、システムとして解決しなければならない。そこでは、皆があちこち動き回っていた。おそらく手が空いている人に順番に役割を与えていっていたのであろう。そのような場当たり的な方法ではなく、担当のエリアを決め、そこで起こったことには責任を持ってもらう。自分のエリアさえ良ければいいというわけではなく、余裕があるときには他のところを手伝う、ということが自然とできなければならない。ただ、そのためにはある程度の人員的な余裕が必要である。それが有機的な組織というものである。箸ぐらいのことで、と思われるかもしれないが、そのレベルでうまく対処できていないのであれば、もっと大きな部分で問題を抱えているはずなのだ。オーガニックオーガニゼーションの話はここまで。
 そのホテルにはプールがあったのだが、会員の人以外は有料なのだ。宿泊客は無料で使えると思い込んでいたので少々驚いた。しかも、20mしかない普通のプールがあるだけで1,000円もするのだ。ウォータスライダーがあるなどあまりにも魅力的で制限をかける必要があるなら分かるのだが。ホテル内に子供はそれなりにいたが、浮き輪を体につけてプールの方に嬉しそうに走っていく子供はついぞ見かけなかった。
 会員にはそれぞれの担当者がいるらしく、初日に伯母の担当の方がわざわざあいさつに来られて「明日の昼、無料のランチを食べながら、会員に関する説明をさせてほしい」とお願いされた。2泊3日であれば、2日目だけが唯一のんびりできる。朝や夜であれば分かるが、昼の時間を拘束されると行けるところがかなり制限されてしまう。しかも、ホテルで子供向けのアクテビティなどは何も用意されていないのだ。朝と夜はご飯が元々ついているので、「じゃあ昼で」という考えになったのであろうが、子供を遊びに連れて行っているので「昼ご飯代が浮いてラッキー」とはならない。1人旅ですらそうはならない。お金のことしか考えていないので、そのような発想になるのであろう。我々も親御様からお金をいただいているわけだが、それと同じぐらい子供たちの時間を預けていただいているという感覚がある。この時間に対する意識というのはすごく重要である。
 5年か10年前に、一度そこを訪れたことがある母は、朝のビュッフェの品数が随分減ったと漏らしていた。誰かに、前の方が良かったね、と思われることほど悲しいことはない。
 2日連続で海に行き、4年生の長男、2年生の二男と初めてシュノーケリングをし、浮き輪を付けてはいたが年長の三男も海を満喫し、家の近所では難しくなった花火も2夜連続で楽しめた。子供たちと貴重な体験をし、かついろいろと考える題材を提供してもらえた実り多き3日間であった。

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