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2018.07.02Vol.356 物事の見方

入試が迫り時間に余裕がない中で、第1志望校の過去問と傾向が異なる場合、わざわざ第2志望校のものを解かせるとすればどちらの生徒だろうか。
A;第1志望校に九分九厘合格できそうな生徒
B;第1志望校のボーダーライン上にいる生徒

 この文章は、サッカーのワールドカップの予選リーグ第3戦を終えた翌日に書き始めた。そして、その時点で、火曜日の朝3時から始まる試合の前にHP上にアップすることを決めた。決勝トーナメント第1戦の日本の試合を見ると、別のことを書きたくなりそうだったからである。結果を見て、それについて語るのはあまり面白いものではない。
 ワールドカップに興味が薄い人でも、第3戦で取った監督の作戦に対していろいろな意見があることは知っているかもしれない。「いろいろ」というのはいわゆる「賛否両論」と言うやつである。ビジネスを始めるに際して、そのアイデアに賛成ばかりというのは間違いなくうまくいかないし、半々でもやはりそうであろう。きっと1割ぐらいが賛成してくれるものであれば、それなりに難しく、成功すればそれなりの価値があるのであろう。それが5%、1%といったように、賛成してくれる人の割合が下がっていけば、難易度はより上がり、それを乗り越えたときの達成感は増すはずである。
 第3戦の残り10分で日本はポーランドに0対1で負けていたにも関わらず攻めなかった。同時に行われていたセネガル対コロンビアでセネガルが同様のスコアで負けていたからだ。日本はセネガルがそのまま点を取らずに終われば、決勝トーナメントに進めたが、取ればその道は断たれた。一方、日本が攻めて1対1で終えていたら、セネガル戦のスコアに関係なく、その権利を得られたのだ。要は、自力ではなく他力(コロンビアがセネガルを抑え込んでくれる)にかけた作戦だったのだ。物は考えようで、他力を頼めるところまで自力で行ったとも言える。結果的にうまく行った。それを踏まえて「決勝トーナメントには進めたけど」という批判を受けているのだ。でも、決断をした時点では「決勝トーナメントに進めなかったら」となる確率も低くはなかった。その場合、現状とは比較にならないほどの批判を浴びていたはずなのだ。要は、それだけの覚悟があったのだ。もちろん、覚悟があれば、どのような判断も正当化されるわけではない。
 冒頭で、判断材料に乏しい非常に乱暴な質問をした。基本的に、私がBのパターンの生徒に対して、第2志望校の対策をすることはない。第1志望校にすべてのエネルギーを注ぎ込む。もし、第2志望校だけに合格した生徒の親御様から「元々第1志望は半々と言われていましたし、第2志望も余裕ではなかったので対策をしていただかなかったら、そっちもどうなっていたかは分かりません」というような言葉をいただいたとしても、間違いなく「そうか、少しは役に立てたか」とはならない。「自分が保険をかけたせいで、第1志望に合格できなかった」となる。それが分かっているので、そもそも、そのような選択はしないのだが。
 誤解を招かいように断っておくが、Bのパターンの生徒に対して、第2志望校の過去問を解かせないわけではない。問題の傾向が似ていれば普通に与えるし、似ていなくても、その問題の質が高いのであれば気分転換も兼ねて取り組ませることはある。要は、すべては第1志望校への合格率を高めるために何が有効かを考えた上で手を打っていくのだ。
 この後始まる日本戦に話を戻そう。ベルギーと20回戦えば1回ぐらいは勝てるであろう。3回は引き分けに持ち込み、PK戦でそのうち1回は勝てるかもしれない。それらを合わせると、20回中2回、つまり10%は勝てる可能性があると言うことだ。もちろん、日本に勝って欲しいがそんなに甘くはない。手堅く行くだろうから、負けてはいても残り30分までは1点差である可能性は高い。そこからはさすがに点を取りに行かなければいけない。そのとき、相手のカウンター攻撃(守りをしっかりと固めながらも、少ない人数で一気に攻めて点数を奪う方法)を受けて、2点、3点と点差が付くかもしれない。それは、ポーランド相手に攻めないことを選択した、西野監督の采配の正しさを裏付ける1つの材料になるかもしれない。

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