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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2023.10.06Vol.1 掘り出し物(竹内)

 「うーわ、なつかし」。普段は滅多に独り言を発さないのだが、いわゆる深夜テンションも手伝って、この時ばかりは違った。大学2回生の頃に学生アルバイトとして志高塾に出会った私は、生粋の「宮っ子(西宮市民をそう呼ぶ)」であった。学生時代を経て、社員になってからも西宮住まいは変わらなかったのだが、昨年の途中から豊中校のみで授業を行うようになったこともあり、つい先日池田市内に引っ越した。その準備として荷物の整理をしていた際につい口を突いて出てきたのが先述の言葉である。アルバイトを始めたばかりの際の研修期間中にまとめていたメモがクローゼットから現れたのだ。
 HP内の「志高く」でも取り上げられることがあるが、研修中初めの8コマは直接生徒を指導することはなく、授業見学を通して気付いたことをひたすらメモする。もちろんその中で先輩講師から適宜補足説明などがあるのでそれを書き加えたり、研修課題にフィードバックをもらえばそれに関して残しておいたりする。先に「こうするんですよ」というのを示してもらうのではなく「こうするんだな」というのを自力でまず発見することが求められている。そのステップを踏んでから「答え合わせ」をするからこそ、自分の中に落とし込まれていく。
さて、そのメモ。読み返してみると、同じような文言が繰り返し登場した。印象的だったから書き残したことだったり、何度か指摘されたことだったりするだろうが、私のことなので後者の場合が多いはずである。ただ、今の立場になって目を通すと、それらがすごく大事なことであるのが分かる。例えば、生徒とのやり取りの場において「イエスかノーで答えられる質問をしない」という注意点がある。「コボは怒ってるの?」ではなくて「どんな気持ち?」と聞いたり、「なんで?」と問うたりした方が、生徒の思考の幅は断然広がる。初回の勤務でそのことを学び早速メモした私だったが、その後また同様のことを記していたことからも、すぐに意識できるようにはならなかったんだな、というのが窺える。何度か書いているということは、先輩講師から都度助言されていたということなので、根気よく指導してもらえたのはありがたい限りである。一方で、赤字で強く書かれていた「しっかり考えられているかどうか、その子の顔をよく見る」という一文は1回のみの登場で、それを教わってすぐに実践できていたようである。
 もう一つ思い出したこと。アルバイトの採用面接時に、中学・高校とソフトボール部に所属していたものの、どちらかと言えば下手くその部類であったことを話した。バスケ大会での私を見た人にはよく分かるであろう。なお、その時には「確かに上手には見えない」とその場で返されている。中学の頃は部員自体が少なく、他校と合同チームを組まざるを得ないくらいだったのでまだ出場機会はあったが、高校では出られて練習試合の2試合目くらいだった。それでも途中で辞めなかったことが(当時の同期の存在が大きいが)「私」という人間を形作っているような気がする。やっぱり上手い人がかっこいいけれど、そうでない人も楽しめる方がいいじゃない。こういうマインドは、「できない」と「嫌い」を結び付けてしまわないために大事だと思う。生徒にも、共に働く講師にも、このことを伝えていきたい。
 いよいよそんなことまで振り返っていて、引っ越し準備が一向に進まなかったことは言うまでもない。しかし、良い夜だった。

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