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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2025.04.25社員のビジネス書紹介⑲

徳野のおすすめビジネス書
『会う力 シンプルにして最強の「アポ」の教科書』早川洋平

 コロナ禍以来、オンラインチャットがすっかり一般的になったが、人と顔を直接突き合わせて会話することの意味が失われたわけではない。むしろ、その価値が再認識されるようになった。画面越しよりも目の前の相手についての情報量がぐっと増すし、足を運ぶためにお互い少なからぬ手間を費やすのだから一緒に過ごす時間を充実させたい、という気持ちが働くからだ。
今回取り上げる書籍の著者である早川氏も、わざわざ会いに行くからこそ得られるものの大きさを信じ、ラジオやポッドキャストで対談番組をプロデュースしている。彼が配信している番組の名前は「LIFE UPDATE」。茂木健一郎、吉本ばなな、などなどあらゆる分野の第一人者の声を届けることで、リスナーやインタビュアーにとってはもちろんのこと、出演したゲストにとっても人生が少しでも前進するような「三方よし」の場を提供するのがコンセプトだ。そして、本作では、貴重な話をしてくれる相手と心地よくコミュニケーションを取り、インタビューを通して本当の意味で「人脈」を広げていくための心構えと実践内容が綴られている。
 先述の「三方よし」の中で最も意識の俎上に上りにくくかつ難しいのが、「ゲストに有益な何かを持ち帰ってもらうこと」だ。番組の場合は出演を通して知名度の向上に繋げるのが一番分かりやすい。だが、「会って良かった」と心の底から感じてもらうためには、聞き手として新たな視点を示したり、相手の興味や悩みに対して自分に出来ることを提案したりするところまで踏み込めれば、より一層強い信頼を獲得して縁もできる。加えて、押しつけがましくならないような塩梅を見極める慎重さは欠かせない。家族や友人でもなければ単なるファンでもない、忌憚のない意見を述べる誠実なインタビュアーの立場を保つ中で人間関係は自然と広がっていくのだ。
「ファン」はさておき、「家族や友人でもない」という距離感の他人と膝を交えて話し合う機会は意外と少ないが、志高塾の講師は少なからずその役割を担っているのではないだろうか。

三浦のおすすめビジネス書
『ムーンショット──元NASA宇宙飛行士が明かす、不可能を可能にする方法』マイク・マッシミーノ

 漠然と宇宙に興味を持ち、目に付いた本を手に取っている。宇宙飛行士というとどうしても特別な仕事のように思えるが(実際に特別な仕事ではあるのだが)、本書の中で触れられているように、それでも「仕事」は「仕事」なのである。月面歩行は人類にとって偉大な一歩だが、同時に、ひとりの職員の、ただの業務のひとつでもある。命の危機と常に隣り合わせである宇宙飛行士と自分の仕事はとても比べられないものの、そのマインドは参考にできるところが多い。
 失敗を隠さず共有するというのは、どんなビジネス書でも言われていることだ。もちろん本書でも触れている。だが、飛行訓練であわや事故となりかけた事例ふたつの中で、とにかく自分のミスを隠さず共有すること、そして自信がなくとも違うと思ったことは声をあげることが、結果的に周囲にとって最善となることを示している。また、その中ではそうした「声」を尊重する土壌が育っていることもひしひしと伝わってきた。一人ではなく皆で挑むという意識が根強いからこそ、個人の成績を過剰に意識せず、チームのために貢献できるのだろう。
 そしてミスでいえば、「ひとつのミスを慌てて改善しようとした結果、さらに悪い状況を招くことがある」という、いってしまえば当たり前のようでいて、実際にその瞬間になった時には忘れているような事柄にも触れられている。宇宙という極限の状況下、ミスをして慌てない方が難しい。だが、それをやり遂げるためには、常に「この状況が悪化してしまう可能性を考え」、「自分ひとりでなく、誰かと一緒に、慌てずに問題を修正していく」ことを意識する必要があった。
 いずれもチームに向ける信頼と、自分自身の行動がチームの中でどのように作用するかという責任感が根っこにあるのだと思う。チームの中の一人であるという意識は常に忘れないでいたい。

竹内のおすすめビジネス書
『働くということ 「能力主義」を超えて』勅使河原真衣

 入試、就活など、人生のあらゆる時点で私たちは選ぶ/選ばれる立場に置かれる。最近はマッチングアプリの登場により、恋愛においてもその事実がはっきりと見えるようになった。限られた椅子に座るためには能力を持っていることが求められる。それが選ばれる理由になる。出自で将来が決まってしまう社会よりも平等で、誰しもに能力の芽はあって、伸ばそうとすることで選ばれる可能性は高まり、それをしなかった責任は個人に返る。筆者は、このような能力主義は真の平等をもたらしているのではなく、不平等への納得を促しているに過ぎないと指摘している。
 その「能力」はさらに抽象度を増している。「企業が求める人材ランキング」の1位となっている「高いコミュニケーション能力」がまさにそれである。分かる人には分かる、それこそが優秀な人物である、というのは一理あるようで横暴でもある。人材開発ではなく、組織開発を掲げる筆者は、個々が持っているものを「能力」ではなく「機能」であると説明している。レゴブロックのように、それだけでは役割を果たせていないものが、他と組み合わせることで欠かせない存在になる。その視点で個々の持っているものを見極めることが大切なのである。
「働く」ということを通して経済的な価値は生み出される。しかしそれは個人の能力だけで叶えられるものではない。周りにいる人たちと何ができるか、それを考えて動くことがいつも必要になる。本来、色々な人がいる方ができることの幅は広がるはずなのだ。

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