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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2025.02.21社員のビジネス書紹介⑰

三浦のおすすめビジネス書
『サクッとわかるビジネス教養 東南アジア』助川成也

 「世界で」という言葉が出たとき、まず真っ先に頭に浮かぶのは欧米だ。グローバルに活躍するという語を聞いた時にも、まずは欧米のイメージが先行する。私が知っている世界はあまりに狭い。こと東南アジアにおいては、ほとんど知識がなく勝手なイメージばかりだったので、アップデートするためにも手に取った。
 内容としては入門編といった印象で、ASEANとしての経済的動向や、各国の歴史や政治体制についても述べられている。東南アジアと一括りにしてはいるが、国によって経済規模はもちろん、文化や政治体制も違う。政治体制が違うからこそ、ASEANは互いに内政に干渉しないことが原則となっているというのには納得した。また、旅行先としてよく聞くシンガポールもただ発展しているという漠然としたイメージだったが、経済拠点であるという先進性の一方、島国の都市国家であるがゆえに資源は他国(水はマレーシア)に完全に依存しているという危うさがあるというのも、説明されて腑に落ちた。その一方で高原や山岳が国土の多くを占めるラオスは、メコン川の存在により農業が盛んなほか、水力発電も活発で電力を他国に輸出しているともある。かと思えば急激な発展によりミャンマーでは電力供給が追い付いていなかいというのも、やはり、一括りでは捉えきれない多様な国家の集まりなのだと思わされる。
 海外在住であったり、研修旅行で現地に赴いたりと、生徒の方がきっと身近に感じる機会は多くあるだろう。その時、きちんと拾い上げるためには、まずは自分に知識がなければならないことを痛感した。

徳野のおすすめビジネス書
『ANAのカイゼン』川原洋一

 航空業界は何より安全性を重視しているとは聞いたことがあったが、そのために何が実践されているかと問われれば、「とにかく点検に手間と時間をかけているはず」程度のイメージしか抱いていなかった。だから、表紙の帯に書かれた「高い生産性」つまり「効率の良さ」とも言い換えられる文言が、人間の命を預かる仕事の緻密さや慎重さとどう関わるのかに興味を引かれて手に取ってみた。
 タイトルにもある「カイゼン」とは元々はトヨタ自動車が編み出した生産方式であり、「欠点を直す」という意味の「改善」と区別するためにカタカナで表記されている。ゴールが明確化されていない非製造業での導入は難しいとみなされがちだが、ANAでは「現状に満足せず、より良くできるところを探し続ける」という「カイゼン」の基本理念を念頭に置いた上で社員一人ひとりが能動的に行動する土壌を形成してきた。そして、「より良くできるところ」とは職場の「ムリ・ムラ・ムダ」を指す。それらは働き手の心身に過度な負担をかけ、「ヒヤリハット(事故や災害に至らなかったトラブル)」を引き起こす要因でもある。大半の組織は大事に至らなければ看過してしまうが、航空業界においては些細なミスの蓄積が全損事故に繋がっていくので悪い芽は認識したその時に取り除いておかなくてはならない。だからこそ、個々の社員が日々の業務の中で対処するべき問題とその真因を追求する習慣を定着させることが重要になってくる。
 本著を通して最もはっとさせられたのは、「カイゼンは自分自身が楽になるために行う」という前提だ。組織で働いていると「会社の利益が最優先」が暗黙の了解のようになるし、メンバーに課題解決を求める上でそこを狙いとして明示する管理職も少なくない。だが、ANAはあくまで個人ベースで進めることで身の回りの問題を可能なかぎり具体的を把握すると共に、一人ひとりの社員に「得」が直接還元される仕組みにすることで自発的な行動を促している。それが「自己満足」で終わらないのは従業員内で「ムリ・ムラ・ムダを無くす」という目的が共有されているからでもある。また、カイゼンを称賛し合う機会は作っても、その成果を人事評価には反映させないよう徹底している。「滅私奉公」ならぬ「興私奉公」というわけだ。

竹内のおすすめビジネス書
『センスは知識から始まる』水野学

 著者である水野学氏は多摩美大で学んだ後いくつかの企業を経て、グッドデザインカンパニーというデザイン、コンサルティングの会社を立ち上げた。有名どころでいえば熊本県のご当地キャラクラ―である「くまモン」の発案とデザインを行った人物でもあり、クリエイティブディレクターとして活躍している。まさに「センス」が売りである。
 しかし、その「センス」とは彼が特異な人間であるために持っているものではなく、あくまでも積み重ねによるものである。というのも、センスとは「数値化できない事象を最適化できる力」として定義づけているからである。そのような明瞭な基準がないものだからこそ、「特別な人間だけが持ちうるもの」のように誤認されてしまいがちでもある。だが、まず「普通」を知っていることがセンスを磨くうえで必要になる。軸の両端に「良いもの」と「悪いもの」を置けると、その真ん中に来る「普通」が見えてくる。「普通」が分かるようになるためには多くのものに触れていなければならないということだ。
 様々なジャンルに知識の幅を広げるのはもちろんのこと、主戦場としての分野での「追究」もまた良いものを提供するためには欠かせない。例えばコンビニは「利便性」がその最たる価値だが、「便利」とは何かということはその店の立地はもちろん時間帯によっても変わる。一つを掘り下げることが結局別の知識の呼び水にもなるのである。
 また、「知識を得る」というのは「過去を知る」ということでもある。画期的なツールとして登場したiPhoneも、電話機の流れを汲んでいる。これまでに生み出されてきた多くのものの上に新しいものがある、ということを知っていると、ものづくりであったりアイデアを出したりするための準備作業はおのずと決まってくる。
 縦軸と横軸とそして奥行き。この3つの観点で、相手や場所、状況に即して適切にチューニングできることが「センス」である。それを発揮するために日々から何を吸収するか、それこそが問われている。

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