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2025.04.08Vol.681 カーナミ

 2週間前にブログをアップした時点で、「殻を破る」というテーマで近々書こう、ということが頭の中にあった。私のことなので延期になるかもしれないが、来週の予定にしている。ところで、皆様はその言葉を聞いたとき、どういう「殻」をイメージするでしょうか。少し考えてみてください。少なくとも、シャボン玉のように簡単に割れてしまうようなものではないはずです。
 前回、最後の段落に「皆様も是非、今日から次回のブログまでいろいろと自分のことを褒めてみてください」という一文を入れた。このメッセージは自分に向けたものでもあった。性格にもよるだろうが、自分を褒める、というのは案外難しい。私の場合で言えば、何かしらの成果に対して瞬間的に満足感や達成感のようなものが芽生えても、「まあ、これぐらいできたところで大したことないな」となり、すぐにしぼんでしまう。
 教室の春休みを利用して、小学校を卒業した三男と二人で6泊7日の車の旅を楽しんで来た。宿泊した市町村を順番に並べると、妙高市、佐渡市、新潟市(いずれも新潟県)、前橋市(群馬県)、秩父市(埼玉県)、岐阜市となる。出発前に予約していたのは4泊目の前橋の宿までで、それ以降の予定は立てていなかった。7泊8日か8泊9日になる可能性もあったのだが、若干早まったのは次のような理由からである。静岡県の御前崎港から出る船に乗り、魚種が豊富で大物が釣れる駿河湾の金州(きんす)に釣りに行く予定を、波が高い状態が続き出船できそうになかったため諦めざるを得なかったからだ。その最終判断をしたのが前橋のホテルを出る5日目の朝で、そのタイミングでその晩は秩父に泊まることにした。6日目はそこから南下して、前から行きたかった山中湖周辺の富士山が望めるサウナを訪れたかったのだが、悪天候で視界が悪そうだったので急遽山梨県北杜(ほくと)市にある清春芸術村(きよはるげいじゅつむら)を目指し西進した。埼玉と山梨の間には日本三大峠の一つである標高2,082メートルの雁坂峠(かりさかとうげ)があり、4月になっていたにも関わらず大雪が降っていた。途中寄ったパーキングエリアで、三男が雪だるま作りを楽しめるほどであった。大漁を期して車に積み込んでいた大きなクーラーボックスは文字通りお荷物になってしまったが、釣り用の長靴は雪遊びには大いに役立った。いろいろ調べる中で清春芸術村を偶然知った。そこには私の好きな画家ジョルジュ・ルオーが制作したステンドグラスを飾る教会や安藤忠雄の光の美術館などがあり、敷地は広くないものの有名建築家が設計した建物がぽつりぽつりと余裕を持った状態で点在していた。元々桜がきれいという理由で選ばれた場所なので、その季節の、しかも晴れの日に来れば本当に心地良い空間なのだろう、という印象を抱いた。新潟に近いこともあり、2週間ほど早かったのであろう。
 タイトルの「カーナミ」は「カーナビ並み」をもじったものである。カーナビが渋滞情報などを元に最適ルートを提案するように、私は天候を含めていろいろな条件を踏まえた上で、より良い旅程を立てることにおいては自信がある。これは、胸を張って自分を褒められる数少ないことの一つである。そんなものを人と比較する機会が無いので、思う存分自己満足気分を味わえるのかもしれない。
 今回の旅行で言えば、上で述べたように4日目までの宿と、3月28日(金)の朝一のフェリーで新潟港から佐渡島に渡り翌朝の第一便で戻ってくること、29日(土)に新潟、30日(日)に群馬でサッカーを見ること以外は何も確定させていなかった。三男は動物園や水族館が好きなので、どこに組み込むのが良いかなどを他の候補地と天秤に掛けながら、結果的には新潟港に帰ってきたその足で、車で10分ぐらいのところにある「マリンピア日本海」に、富岡製糸場の後に、これまたそこから車で10分ぐらいの「群馬サファリパーク」を訪れることにした。予定を立てるときに意識しているのは時間的な余裕を持たせることである。なお、水族館と動物園ではそれぞれ2~3時間、3~4時間の滞在時間を見込んでいた。昨日、三男と同じ学年の女の子の授業があったので、「春休み、何か楽しいことした?」と尋ねたところ、「沖縄に3泊4日で行って来た」と返って来たので、何をしたかを聞くと「美ら海水族館には行ったけど、それ以外は良いホテルだったので、そこで読書したり海を眺めたりしていた」ということであった。そのような滞在型の観光にはめっぽう弱いが、周遊型を好む人であれば、要望、予算などを聞いた上で、まずはラフな旅程を立て、その都度アップデートしながらかなり満足してもらえるプランをその日ごとに提供できる自信はある。運転手もしながらその道中、必要であればそれなりに面白い話もできるはずだ。試す機会がないのが残念である。そのような能力は元々備わっていたわけではなく、大学生の頃、毎年のように2週間ほど海外を訪れ、初めの二晩と終わりの一晩ぐらいしか宿を決めずに旅行をしていたからである。初めが一晩では無いのは、時差ボケを取ることを含め、体調をできる限り早く万全にするためである。当時はネットで予約などできなかったので、『地球の歩き方』などに掲載されている良さそうな宿を実際に訪ねて部屋の中を見せてもらって値段交渉をして、ということを繰り返していた。また、スケジュールも、当初は地図に行きたいところをドットし、それらをいかに効率よく回るかということを大事にしていたのだが、広場に面したカフェテラスでコーヒーを飲みながらゆっくりする時間が心地良いと気付いてからは、ゆとりを持ったものにできるようになった。
 自分を褒めることに終始してしまった。よって、来週が今回の元のタイトルであった「旅の醍醐味」で、「殻を破る」はその次になりそうである。早くも予定変更。こういうところも「カーナミ」である。

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