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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2024.02.04Vol.13 踏み出すための自己分析(竹内)

 結婚したくないわけではない。むしろしたい。
 「資料読解」という教材は、グラフや図表などの資料を読み取り、社会問題についての理解を深め、打ち手を検討する、というものである。この第1章のテーマは人口問題で、我が国で少子高齢化が進んでいる背景や、それが今後の社会に及ぼす影響を考えることになる。
2023年春の大学進学率は57.5%で、8年連続で最高値を更新している。短大や専門学校も含めた高等教育機関へのそれを見ると84%にのぼっており、文科省によれば各種就学支援の拡充・浸透が進学を後押ししている。一方で、OECDの2020年の調査結果では高等教育を受けるにあたっての日本での私費負担の割合は64.5%で、これは加盟国平均値の約2倍以上であり、第3位に位置する。また、厚労省によると18歳未満の子どもがいる家庭が2022年に1,000万世帯を割ったのだが、1世帯当たりの子どもの人数は「1人」が49.3%、「2人」が38%、「3人以上」は12.7%である。この調査が始まった1986年時点ではそれらの比率は4:5:1だったので、教育費をはじめとした経済的事情から第2子以降の出産をためらう「2人目の壁」が存在していることが窺える。
 そこに拍車をかけているのが晩婚化である。初産時の平均年齢は1975年に男性28.3歳、女性25.7歳だったのが、今はいずれも30歳を超えている。2、3年前くらいだと我こそはぴったりの例だと特段の意識なく生徒に説明していたが、ここ最近はふと「私ってその原因の一人やんなあ」と少しばかり気になるようになってきた。近年は独身者の中でも結婚の意欲が持てない人たちを「非婚者」に分類するが、今のところの私は「未婚者」の一人である。意欲があるのは他の誰かと一緒に子どもを育てるということに対するあこがれがあるからだ。
 親御様とのやり取りの中で、子どもたちへの期待と不安のどちらをも抱えて日々子育てされていることが伝わってくる。まだ成長過程にある子どもたちなので、心配することの方が多いのかもしれない。それでも、様々な苦悩に対して、子どもたちを導いてあげること、「こういうことができるようになってきた」というのを示せることが私の役目だし、些細な変化であっても、そういうものを共有できることは嬉しい。また、今回の中学受験を通しても、大変偉そうな言い方になってしまうが親御様自身が心を強く持つ姿に、親になっても多くの気付きがあるのだと学ばせていただいていた。私の姉も現在二児の母であるが、「親」としての顔がたくさん見える。親ではない立場の自分が子どもを育てることに携われることは、この少子化の世の中だからこそより貴重なことだとも言える。そんな経験をしていたら、「いつか自分も」という思いは強くなっていく。
 ただ、そういう気持ちとは裏腹に、大した行動をとってこなかったこともまた事実である。授業では生徒たちに起きている問題を踏まえて「自分にできること」を見出すよう求めているのだから、同じように自問が必要である。しかし結局のところそういうことを挟まずに「自分なんかが」とか、「こんな自分なんだから上手くいかなくて当たり前」という言い訳をいつもしてしまっているのである。ついこの前、小4の女の子に「言い訳するな」と懇々と話したところなのに。そういう痛いところから目を逸らさずにいられる人が魅力的な人なのだ。そんな自分になれるかどうか。仕事をすることは私にとって最良の自分磨きである。

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