2021.04.20Vol.491 個別であろうが集団であろうが
まずはお便りコーナー。あるお母様から以下のようなメールをいただきました。2段落目に関しては、黙読ではなく気持ちを込めながらの音読をお勧めします。
『志高く』を読む前に志高塾のリニューアルしたHPをみて、写真はそのままなんや、って思ったら撮り直ししてたのですね。前のが、鮮明に記憶に残っていたわけではなく、なんとなく見てたせいでしょうか、違いに気づかなかったです。
ちなみに、私は初めて会った時、写真の人だ!って素直に思いました。そして、初めてホームページを見た時、とてもいい印象を受けたのを覚えています。上からでもなく、変な親しみやすさもなく、ってかんじでしょうか。今回も、変わりなく良かったです。
私の成長のため、今後もこのような厳しい意見をどしどしお寄せください。お待ちしております。
そろそろ時効だろうか。と言っても、別に悪いことをしたわけではない。5年ほど前に2年間、息子たちがお世話になった幼稚園の園長先生に月1回、仕事として全保護者向けの園長先生からのお手紙を添削していた。口止めされていたわけでないのだが、4年間会長をしていたこともあり公私混同と思われてもな、と、そのことについてブログで触れないようにしていた。指導内容に関してはすべてお任せすると話だったので、それであれば、と、2, 3か月に1回不定期で発行されていたものを月1回定期的にした方が良いと進言し、1回1時間半から2時間を掛けて、事前に書き上げておいてもらったものを元にやり取りを行っていた。私は会長であったため直接話す機会が多かったのだが、園長先生の考えが保護者にうまく伝わっていない気がしていた。それゆえ、その橋渡しのために少しでもお役に立てれば、と考えたのだ。元々は、先生2, 3人に向けて研修を行うという依頼を受けたのだが、忙しく、その時間が取りづらいということで変更になった。今回の本題とはずれるのだが、幼稚園で計算や平仮名などを先取りして教え込んでも大した価値はない。そのようなことをまったくやらされてこなかった子に一気に抜かれるというのは往々にしてある。基礎の部分に差があるからだ。だから、やるべきはその部分を鍛えてあげることである。形式的なお勉強をさせるより、知識が豊富で語彙力が豊かな先生と触れ合う方がよほど学びは多い。一緒に動物を見たときに「おっきいね」、「かわいいね」で済まさずに、「毛が多くて長いということは、暑いところにいたのかな、それとも寒いところにいたのかな?」と問いかけてあげれば子供たちは「ふーん」で終わらずに思考を巡らせるようになる。これを高学年ぐらいになった子供にいきなりやると「いちいちめんどくさい」となる可能性はあるが、園児であればそうはならない。我が息子たちは、中1、5年、3年になったが、そのような問いに対して誰1人として「どうでもいい」という反応をすることはない。正解したからと言って、何かご褒美がある訳でもない。これは、能力ではなく習慣の問題である。残念なことに3人とも特別賢くはないが、何か興味を持てたときにはそれなりに前に進んで行ってくれると信じている。上のような働きかけができる先生を雇える、もしくは育てられる目処が立ったら幼稚園の経営をしてみたい。これは、以前にも書いた気がする。
さて、その園長先生、とにかくパーソナルトレーナーを付けるのが好きであった。私以外に、フィットネスジム、何かしらの武道、書道などでそのようにしていた記憶がある。好きだということを聞いただけで、何がどう良いのか当時の私にはまったく理解できなかったが、最近分かるようになってきた。40を超えてから、運動をしていて筋肉系の怪我をすることが増えた。整骨院に通って完治してもまた同じことが繰り返される。対処療法的なやり方では根本的な解決にはならないことにようやく気付き、あるお母様に紹介していただいた運動機能を高めるためのトレーニングを行う整骨院に通い始めた。ご存知の通り、ヨガも始めている。さらには、また別のお母様から教えていただいた整体にこの前初めて行って、今後も月1回のペースでお世話になる予定にしている。すべてこの2か月ぐらいのことである。トレーニングは1対3ぐらいなのでセミパーソナルということになるが、その3つにおいて私が良さを実感しているのは、細かく指導してもらえること以上にいろいろと質問できることである。ヨガは特に顕著なのだが、私の体が硬すぎるせいで本来効かさないといけないところとは別の個所が伸びていたりする。「ここが痛いんですが、それで合っていますか」というようなことを確認している。ヨガに限らず、疑問に思ったことは片っ端から聞いている。その答えがすんなりと腑に落ちることがあればそうでないこともある。そうでないことは自分なりに考えたり、納得できない部分を聞き直したりする。自分の中で消化されるまでのそのプロセスがとにかく楽しい。
パーソナルトレーナーをこれまでに経験したことが無かったわけではない。20代のサラリーマン時代、一時期外国人の先生にマンツーマンで英語を教えてもらっていたのだが面白くなかった。私の英語力にも問題はあったが、単純にその人が魅力的でなかったのだ。触れる袖も無く、安くでお願いしていたので、贅沢は言えなかった。安かろう悪かろうでは意味がない、というようなことが言われる。確かにその通りなのだが、そこには当たればラッキーがぐらいの心構えがあるのでまだ良い。気を付けるべきは、高かろう良かろう、である。高いから良いはず、と期待してしまうからだ。家庭教師や個別塾などはかなりの確率で外れる。高いから良い先生が付いてくれると思ったら大間違いである。
昨秋から始めた私立の小学校での週1回2コマ(1コマ45分)の国語の授業。20人ぐらいの生徒に対して元々は1人でやる予定であったが、結果的には初回の授業から2人で行っている。事前の準備をお願いしたかったのと、志高塾でやっていることと同じようなことを集団に対して行うので1人ではあまりにも無理があると考えたからだ。2人でやると、感覚的には1人の3倍、4倍の効果を出せる気がしている。個別に比べると1人1人を手厚く見られないのは当たり前なのだが、複数の生徒に前に出て黒板に書いてもらい、それを比較しながら添削をできるのは集団の良さである。授業を行う立場として、個別であろうが集団であろうが、どうすれば生徒たちが多くのことを吸収できるかを考え、実践して行ってあげないといけない。
そう、これまで頑なにやろうとしてこなかったゴルフ。先日、数年ぶりに飲みに行った高校時代の同級生に誘われて「分かった、やる」と即答した。この歳から始めることもあり、変な癖がつかないように初めからパーソナルトレーナーを付けて一気に経験者を追い越して行きたい。仕事をしない、と生徒達からまた揶揄されそうだがここまで読んでいた方にはお分かりであろう。すべてとは言わないまでの、志高塾での指導の肥やしにそれなりにはなっているはずなのだ。