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2020.06.23Vol.451 たまには

 この1か月で膝から崩れ落ちそうになることが2度あった。もちろん、1つ目は阪神タイガースの開幕3連敗。「もちろん」という言葉を聞くと、「何がどうもちろんなんだ?」となることは少なくないが、この使い方は正しい。と言うことで、昨日、阪神ファンの生徒と「いよいよ明日開幕やな」とその3試合はなかったことにしておいた。
 その事件は、高校2年生の男の子に『最難関高校の国語』という過去問集を使って読解問題を教えているときに起こった。2つ目がそれ。なお、そのテキストには灘や東大寺などの過去問が収められている。語句の意味を問う3つすべて、そして、それに続く傍線部の内容に関するもの、私は選択問題を4連続で見事に間違えた。その後2, 3日は結構へこんでいた。あれから2週間ほど経ったが未だに引きずっている。今、こうやってそのことを思い返しているうちに、待てよ、となった。私ではなくその選択肢が悪かったのではないだろうか、という気がしてきた。きっとそうだ。
中学受験において最難関校を志望する生徒がそこの中学部を併願校にすることは少なくない。我々は、基本的に第一志望校の対策しかしないのだが、5年以上に前に、甲陽を目指している生徒に気分転換も兼ねて滑り止めのその学校の問題を解かせたことがある。今回と同様に私は間違えたのだが、正解を見てもまったく納得できないものが複数問あったのだ。そんな説明のつかない問題を解かせると悪い癖がつくので、その生徒にはもちろんのこと、それ以来その学校の問題を解かせたことは一度もない。今は改善されているのかもしれないが、わざわざそこのものを選ぶ必要はない。他に質の高い問題を解かせる学校があるのでそちらをやらせればいいからだ。ちなみに、灘、甲陽、神戸女学院などはものすごく選択肢がきれいに作られている。それゆえ、“The 正解”と言った感じなので、自分で解いたときに正解できなかったとしても納得が行く。と言うことは、生徒にもきちんと解説できるということである。
 数日前、付き合いの長いお母様が電話で「先生は(生徒の)親の言うことを聞きませんからね」というようなことをおっしゃられた。確かにその通りなのだが、何を求めているかは真剣に汲み取っているつもりである。現在、甲陽に通っている生徒のお父様から受験1週間を切った時点で結構ぼろっかすに言われたことがある。直前の甲陽模試でCかD判定が出て、かつ滑り止めの洛南の過去問を家で解かせても20点ほど足りなかったからだ。お父様から求められたのは、せめて洛南は合格できるように対策をして欲しい、ということだったのだが、私は甲陽一本に絞るべきだ、というのを曲げなかった。国語においては、甲陽は記述問題中心だが、洛南はそうではない。算数も直前1か月だけ頼まれたのだが、その子の抱えていた問題は理解をしているのにケアレスミスが多いことであった。甲陽は時間的に余裕があるが、洛南はすごいスピードで処理をしていくことを求められる。国語は記述の精度を高めること、算数はミスを減らすことが課題であったので、洛南の問題を解かせることはそれにまったく効果がないどころか、算数に至っては完全にマイナスに働く。そのことを説明した上で、洛南の問題を解かせないでください、とお願いした。結果、洛南は不合格で、それ以外に滑り止めとして受けた高槻は合格し、開示された点数では国語が一番良かったため「きちんと力がついていたのですね」というような言葉をいただいた。その彼は中学入学とともに志高塾を卒業したが、今は下の子を豊中校に通わせてくださっている。似たようなことを、これまた甲陽に合格したお母様から言われたことがある。最後の公開テストでも、国語の偏差値が甲陽を受ける子にしては低すぎたからだ。ただ、記述はきちんと仕上がることは間違いなかったので「大丈夫です」と伝えた。甲陽は合格した生徒には開示されないため、実際の点数は分からないが、確か2日間のうちどちらかは「完璧」といった手応えだったこともあり、少なくとも私の言っていることが間違いではない、と思っていただけた。中3になった彼は今も通い続け、下の子も預けていただいている。
 そのお父様やお母様が志高塾にいら立ちを覚えるのも当然である。ここでの「当然」も「もちろん」同様に適切である。ただ、受験前に留飲を下げてもらうのではなく、受験後にそうなってもらわなければならない。親御様と一緒になって焦るのではなく、そういう時こそ本当に大事なことを何なのかを考え、我々は軸をぶらすことなく最善の手を打って行かなければいけない。これまた甲陽を第一志望にしていた生徒の話になるのだが、その子は残念ながら不合格で現在高槻に通っている。高校生になった今も志高塾で学び続けている。合格に導けなかった責任は感じているが、我々がやったことに一定の満足感を得ていただいているので今がある。
 私が間違え倒した、ということに関して、言い訳を並べ立てて話を展開して行く予定だったのだが、例のごとく全然違った方向に話が進んだ。もし、ネットで「志高塾の代表は、国語の問題で間違いを連発するのに我が物顔で教えているらしい」というタレコミを見つけたら「フェイクニュース」と言いたいところだが、このブログのURLを貼られたらおしまいだ。でも、悪いのは私ではなく、選択肢の方なんですよ、もちろん。

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