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2020.04.21Vol.443 と言いながら、結果的に

 二男の快進撃は続く。数日前、「パパ、まぶたが重たくなってきたから寝るね。おやすみ」と声を掛けてきた。「これまでだったら『眠たくなったから』だったのにすごいな。たくさん本読んでるからだよ。お父さんは嬉しい。おやすみ」と返した。
 最近「考える材料がそこかしこにある」という話をよくしている。日々、いろいろな人が好き勝手に発言しているおかげで、私の頭は活性化している。私はこのように文章を通して考えたことを発信しているのだが、誰かを批判するためでもなく、誰かに私の考えを押し付けるのでもなく、単に考えたことを披露しているに過ぎない。このようにまとめる作業を繰り返すことで、意見作文の添削の際に的確な指摘ができたり、適切な具体例を挙げられたりするようになる。
 立憲民主党の議員が、条件付きの30万円から一律国民一人当たり10万円の給付に政府が方針転換したことに対して、「朝令暮改」だと非難していた。辞書に「朝に命令を出して夕方それを変えること。法令が出てもすぐあとから改められて、あてにならないこと。」とあるように、否定的な意味の言葉なのだが、ビジネスの世界では必ずしもそうではない。意思決定のスピードを評価されることも少なくない。この件に関しては、初めに出した30万円の案が悪手だったこと、改めるまでに時間がかかったことの2点が問題である、というのが私の考えである。3月中旬に、孫正義は「100万人にPCR無償提供」とツイートし、炎上した。すぐに謝罪し、先日「月3億枚のマスクを仕入れ値で提供する」と発表した。ポジティブな朝令暮改の好例である。この一件から学ぶことが2つある。1つ目は、あれだけの経営者でも見当違いの提案をすることがあるということ。「孫正義でもそうやから」と自らの失敗にも前向きになれる。そして、もう1つは意思決定の迅速さである。彼は元々、100%になってから動き出してはだめで、成功する確率が70%ぐらいの時点で行動に移さないといけない、と語っている。おそらくPCR検査のキット調達の目処が立った時点で公表したものの、どのように検査し、それによってどのようなことが起こるかについてはその後に考えようとしていたはずなのだ。1つのことがうまく行かなかったから終わり、ではなく、次の一手を打った。去年話題になった、ソフトバンクグループがシェアオフィスを運営するアメリカの会社“WeWork”の買収で大きな損失を生んだ仕組みを理解するのは容易ではないが、PCR検査からマスクに至る一連の流れは中学生でも十分に理解できる。
 少し自分のことを振り返ってみたい。完全に当てがはずれたことが2つある。1つ目は、もっと早くに終息の見込みが立つ、と予想していたこと。そして、もう1つが、都知事が任期切れになるためオリンピックの延期を避けようとしている、と考えていたこと。後者に関しては、自民党が対抗馬を立てられそうにない、ということを知って驚いた。しかも、それは、コロナ対策で都知事が再評価される前の話である。よって、現時点で再選間違いなしと言うことになる。豊洲移転を「安全だが安心ではない」と意味不明な理由で延期させ、その間の豊洲市場の維持費や不要な追加工事費で70億はかかったと言われている。23区内の飲食店の数は7万弱である。70億あれば、すべての飲食店に100万円払うことが可能なのだ。「1か月、飲食店での感染を防ぐために協力お願いします」とできるのだ。
 失敗には寛容な方だと自分では思っている。それは人のためではなく、「失敗しても許してね」という自己防衛本能が働いているだけのことである。小さな失敗を責めると、責められた方も仕返しをしようと粗探しをし始めて、結果的に双方が無駄なエネルギーを割くことになる。1回だけで終わればいいが、大抵はその後何回も繰り返される。失敗をしてもそれを必死に取り返そうとすれば、失敗しなかった場合より良い結果になることは少なくない、と考えている。ただ、中には許されない致命的なものもある。豊洲移転はその1つである。オリンピック開催の可能性を最後の最後まで探り続けたせいでコロナ対策も遅れた。3月13日の時点でも「中止という選択肢は全くない」と語っていたのだ。潔く過ちを認めることもトップとして大事なことなのではないだろうか。
 「誰かを批判するためでもなく」と言いながら、結果的に私は都知事を非難してしまいました。申し訳ございませんでした。いや、でも、私はただ事実を述べただけで何も悪くはなく、、、、

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