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2020.04.14Vol.442 9月入学、今がその時

 麻生太郎が誤読した「未曾有」。「みぞうゆう」の方が、一大事な感じが出ている気がする。
 多くの人にとって感染の危険性が高いのは満員電車(バス)とエレベータである。役所、金融関係など個人情報を扱う場合、事務仕事であっても出て行かざるを得ない。リモートワークのことだけが強調されているが、一般的な9時から2時間ずらして7時と11時といったような思い切った時差出勤をもっと訴えかければいいのに。
 電車通学の学生にとって、授業が通常通り始まれば満員電車は避けようがない。そう考えると、GW明けすぐの再開は現実的ではない。地元の子供が通う公立の学校は別の問題を抱えている。兄弟姉妹が多く通っているからだ。たとえば、我が子の誰か1人が罹患すれば、他の兄弟2人は濃厚接触者になり、そのクラス、学年もということになってしまう。だましだましで開いては閉じて、を繰り返すのであれば、思い切った判断が必要になる。2012年に東大の総長が掲げた9月入学、正に今がその時である。4月から8月まで5か月の空白期間は生まれるが、その分をそのまま後ろに倒せば最もスムーズに学校生活を始められる。暑くて勉強に向かない、というのも長い休みが設けられている理由の1つなので遅れを取り戻すべく夏休みに学校に通うことは好ましくない。
 その他にも9月入学のメリットはある。年明け早々の入試は大変危険だからだ。その時点でワクチンができている可能性は非常に低い。春であれば窓を開け放してのテストも可能であるが、真冬にさすがにそれはできない。ちょうど今ぐらいの時期、4, 5月であればインフルエンザもある程度収まっているため、それもプラス材料として働く。
 9月入学になれば、入学式や卒園式での歌はどのようになるのであろうか。『さよならぼくたちのようちえん』には「さくらのはなびらふるころは~ランドセルの一年生」という歌詞があるのだが、「せぇみのなきごえへるころは~♪」となってしまえば、こぼれ落ちそうになっていた涙も行き場を失う。
 7, 8年前に、私は9月入学をテーマに文章を書いた。高校卒業から入学までの半年間を有効に使って欲しい、という総長の考えに対して、元々目標を持っている学生であれば4月から学校が始まってもやれる範囲で高校時代にできなかったことをやるだろうし、そうでない生徒は暇を持て余すだけで、結局バイトをするなどをして終わるのが関の山だ、と私見を述べた。入学時期がどうなるかはさておき、3月からこの先いつまで続くか定かではないこの期間をどう過ごしたかは今後の子供の将来にとても大きな影響を与えるのではないだろうか。前回、二男が読書をするようになったことを嬉しそうに伝えたが、それ以外にも最近は子供たちと映画を見る機会が増えた。「リーマンショック級」という言葉がよく使われるので、長男に「リーマンショック」がどんなものであったかを簡単に紙に書いて説明した後に、『リーマン・ブラザーズ最後の4日間』を2人で見た。すると、アマゾンプライムがいろいろと勧めてきたのでその1つである『マジックマネー』というビットコインに関するドキュメンタリー映画を視聴し、今は『美術館を手玉にとった男』の字幕版を3人の子供たちと見ている最中(一気に見るのは大変なので)である。4年生の二男が声に出しながら読むので、2年生の三男にも何となく理解できる。その間、私は読み間違いを正したり、子供たちに質問をしたり解説をしたりしている。このような何もない休みが無かったら、九分九厘、いや100%やらなかったことである。
 4月7日にHPの「お知らせ欄」にて授業を継続することをお伝えしたのだが、私の中でその1か月前と大きく変化したのは「医療崩壊に加担してはいけない」という気持ちが芽生えたことである。3月初旬の時点ではその単語自体が頭になかった。「じゃあ、授業するなよ」という声が聞こえてきそうだが、私が考えているのはゼロにすることではない。感染の確率を下げることと、感染した場合の拡散の人数をできる限り抑えることの2点である。前者は主に消毒に関するものであり、一般的に言われていることをできる限り実践しているだけなのでここでは具体的な内容は割愛する。後者は時間割との結びつきが強い。ここでも何回か述べてきたのだが、我々の時間割は講師と生徒の人数の比だけを見ると効率的ではない。講師1人に生徒2人を約束しているのだが、下手をすれば講師の方が多いこともあるぐらいである。これまでは講師が多く、かなりでぶっちょだったのを、密集を避けるために一気にスリム化している。休む生徒がそれなりにいることに加え、平日も夕方からではなく、朝から行うようにしたからだ。生徒だけではなく、講師の休みも受け付けている。家族の仕事柄、GW明けまで自粛する講師もいれば、大学生の講師でも、少しでも体調に異変があれば「大事を取って1週間休みます」という連絡などをしてくる。これまで人件費などそっちのけで良い人たちが集まる組織にしようとやってきたのだ。
 真価が問われる時期である。ただただ前を向いてやっていくのみ。

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