志高塾

志高塾について
志高塾とは
代表挨拶
通塾基本情報
アクセス
お問い合わせ
志高塾の教え方
指導方法
志高塾の作文
志高塾の添削
読解問題の教え方
使用教材と進め方
志高塾の教え方
志高く
志同く
採用情報
お知らせ
志高く

2018.06.05Vol.352 これでもまだそう思われますか?

 採用面接に来てくれた大学2回生の女の子に志望理由を尋ねた。すると「適切な表現ではないかもしれないですが」と断った上で「HPを見たら、ここの塾はちゃんと教えていそうな気がしたからです」というような答えが返ってきた。HPでそのようなことが伝わったことが嬉しかった。だが、それ以上に私を喜ばせたことがある。それは「私はちゃんと教えているところでこそ先生をしたいのです」という意思が、先の言葉に表れていたこと。なお、履歴書の志望動機の欄には「指導を通して教材の内容や文章、言葉の使い方について改めて考えることができ、自分のためになるのではないかと考えました」というようなことが書かれていた。もちろん、即採用である。1回生の1年間は教育とは別のアルバイトをしていたので、なぜ去年はしなかったのかと質問をすると「個別指導の塾に登録はしていたのですが、仕事の話が来ませんでした」とのこと。私はそれがどこの塾かを聞かなかったし、知りたいとも思わない。ただ、どれだけ低く見積もっても、そこに登録している大学生の上位半分に入る優秀さであることは間違いない。一体、どんな基準で授業を割り振っているのであろうか。彼女ははきはきと元気よく話すわけではないが、聞かれたことにじっくりと思考を巡らせ、その結果を明確に伝えることができる。その塾のおかげで彼女が志高塾に来てくれたので、何はともあれ良かった。
 話は変わる。HPにも掲載しているが、我々は各親御様に毎月「月間報告」というもの配布している。生徒の1か月間の様子、何ができて(できるようになって)、課題は何で、それに対して我々は今後どのように対策していくのか、ということなどをまとめたものである。各生徒の責任者が作成して、西宮北口校であればすべて私にメールで送られてくる。内容が不十分であれば、私が指摘をして、考え直しをしてもらう。作成、私のチェック、再考などを含めると1人当たり1時間は掛けている。ここで、大学2回生の子が作成したものを紹介する。一文字だけ修正したが、それ以外は手を加えていない。
教えている人が大学生かどうか、というのを気にされる方は少なくない。それが間違えているとは思わない。しかし、私にとっては優秀かどうかがすべてである。

初めて間もないのでまだ作文に慣れていない様子が見受けられます。しかし、その中でも良い言葉の選択ができているのが印象的です。例えば「ある日コボとお母さんが歩いていると男の子が店でオタマジャクシを買い嬉しそうに帰って行くのとすれ違った。それを見たコボは自分も欲しいとねだったがお母さんには相手にされなかった。その後家に着いてからも彼はオタマジャクシのことで頭がいっぱいだった。しばらくして、お母さんが風呂場へ行き湯の加減を見ようと蓋を開けた。するとそこにはオタマジャクシの黒い影がゆらゆらと浮いていた。それを見た途端、お母さんは驚きで悲鳴をあげてしまった。しかし、声を聞きつけてきたお父さんが確認すると、それは生きものではなく単に黒く塗ったしゃもじであり、コボの悪いたずらだった。」という話がありました。ここで「ねだる」「声を張り上げる」「呆れる」「復讐する」などの良い表現を記述に入れられていました。ただ、「2度以上同じ語句は使わず、言い換える」というルールを忘れがちです。例えば「コボはお母さんに買ってほしいとねだった。でも、彼女は買わなくていいとコボに怒った。」としていましたが、下線部が「買う」の重複になるので、後者を「そんなものはいらない」に変えました。また、別の話では「ミニスカート」という単語を複数使用していたので一方を「それ」という指示語に変更しました。いずれのときも指摘するとしっかり別の言葉に置き換えられるので、今後は見直し時に自分で修正できるようになってほしいです。
また、『科学なぜどうして(初級編)』では「白鳥のように季節により住む場所を変える鳥を『渡り鳥』いう。オオハクチョウとコハクチョウは冬に極寒となる生息地のシベリアを離れ、温暖な日本へと飛んでくるのだ」という話に取り組みました。このとき、要約文のタイトルを「日本に白鳥が飛来する理由」としていて、自分で本文の内容を「飛来」という熟語でまとめられていたので良かったです。ただ渡り鳥が移動する理由として重要な「冬(に飛来する)」というキーワードが抜けていました。それでも重要な情報が抜けていることを伝えると一瞬悩んだものの、すぐに「冬に日本に白鳥が飛来するわけ」と直せました。現状でいろいろな言葉の引き出しがあるのはすばらしいので、今後は文章にとって不可欠な材料となる主語や重要な情報の抜けがないようにしていくことが大切です。

PAGE TOP