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2024.09.03Vol.653 政治が提供してくれるお題の数々

 2024年は選挙イヤーだと言われてきた。現在、毎日のようにマスメディアを賑わせている自民党の総裁選、アメリカの大統領選だけではなく、台湾の総統選、インドの総選挙などが予定されていたからだ。それに加え、7月に行われた欧州議会選で大敗したことを受け、マクロン大統領は惨敗することを折り込んだ上で仏国民議会を解散し総選挙に打って出た。日本に例えれば、岸田首相が議席数の大幅減を覚悟の上で衆議院の解散を行うようなものである。この週末、小6の三男と二人、泊りがけで2日連続の船釣りに行く予定にしていたのだが台風の影響で中止となり家の大掃除をしていた。その一環で本棚を整理していて、随分前に購入したエマニュエル・マクロン著『革命』を処分するかどうかで迷った。2017年5月に39歳の若さで大統領に就任するちょうど半年前の2016年11月に刊行され、日本では2018年に翻訳版が出版された。とうに旬は過ぎているわけだが、だからこそ希望に満ちあふれていた過去と支持率が低迷している現在との比較ができるという面白さがあるのではないか、という考えに至った。帯には「自らが語る生い立ち、フランス再興戦略、欧州の政治・経済の展望 世界の変化を掴む必読書」とある。前回触れたJ・Dヴァンスの自伝を読み終えたらこちらに手を付ける予定である。対極的な幼少時代を過ごしたであろう2人が、国や大統領と副大統領候補という違いはあるものの、奇しくも同じ39歳で選出されたことも中々面白い。
 アメリカ大統領選において「激戦州」と表現される7つの州の住人よろしく私は典型的な無党派層の一員である。現状、日本には政権を担えるのが自民党以外に存在しない。2009年、やりたい放題の自民党に嫌気がさし、何かが変わることを期待して民主党に一票を投じたが結果は散々であった。その一事から学んだのは、望ましくない状況から抜け出す一手がさらに悪い方向へ導くこともあるということである。そういう可能性も低くはないので、納得ができない現状であったとしても甘んじて受け入れておいた方が無難だ、ということを言いたいのではない。淡い期待ではなく、理に適った選択をするべきなのだ。もちろん、それでも好転するかどうかは定かではない。ただ、そのような手順をきちんと踏んで行けば、紆余曲折はあったとしても良い方向に進んで行くはずである。大手塾Aでうまく行かないので、とりあえず環境を変えようと大手塾Bに移れば成績が上向くわけではない。気分転換は図られるかもしれないが新鮮さというのはすぐに失われるものである。もしかすると、そのタイミングでBではなく志高塾を選択肢に入れてもらえることもあるかもしれない。小さな塾なので「本当にここで大丈夫なのだろうか」という不安を抱かれるのはある程度しょうがないが、それ以上に、HPを読んで「きっとここなら我が子を育ててくれるはずだ」という期待を持って門戸を叩いてもらい、実際に通わせてみて、最低でも「期待通り」、できれば「期待以上」という評価を得たい。バイデン大統領が次期大統領候補として居座り続けていたときには「ダブルヘイター」という言葉を耳にした。バイデン、トランプの両方ともが嫌いな人たちのことである。投票する際、どちらがまだましか、というのが基準になる。そのニュースに触れるたび、「志高塾は積極的に選ばれる存在でいられているだろうか?」という自問が頭をよぎったものである。
 さて、総裁選、私の一押しは何といっても小林鷹之である。相当厳しい戦いにはなるが、今回顔を売って、次回以降につながれば良い、と勝手に私は考えている。政治評論家の田崎史郎に「ChatGPTのようだ」と揶揄されていたが、口に出す前に、頭の中で候補となる単語の中からどれを使うかなどを瞬時にはじいているのが伝わってくる。また、自分の頭が良いことを見せつけるためではなく、聞き手に伝えることを目的にしているため、外来語を多用することも無い。ポッドキャストの番組『コテンラジオ』は、現在「豊臣秀吉と徳川家康」編である。そこで、関ケ原の合戦後、徳川家康により上杉景勝が会津藩から米沢藩に移封され、石高が120万石から4分の1の30万石に減らされたことが語られていた。数日前にそれを聞いたときは、そういうこともあったな、で終わっていたのだが、昨日、「もしや」と、「小林鷹之 上杉鷹山」でググると、案の定、そうであった。そこから採っていたのだ。J・F・ケネディは、大統領就任時に日本の記者から「日本で最も尊敬する政治家は誰か?」と問われ、「上杉鷹山です」と答えた。旧統一教会のイベントに参加したことや立候補を表明した記者会見の場に裏金問題を起こした旧安倍派の議員が多数出席していたことなどが批判されているが、それでもやはり期待したい。政治家と聞いて私が思い浮かべるのは、海千山千、手練手管という四字熟語である。また、「テーブルの上で握手し、テーブルの下で足を蹴りあう」ということなども言われる。政治家っぽくはない彼が、日本の国益のために一筋縄ではいかない各国の首脳とそういうやり取りができるのかを見てみたい。
 最後にもう1つ。現在、渦中の人物である兵庫県知事、先日の百条委員会において、20m歩かされたことで担当の職員を叱責したことに対して正当化をしていたが、私に言わせれば、「知事、車の侵入が禁止のエリアです」ということすら伝えられない関係であること、それがすべてである。
 子供にとって、政治ほど大人の社会を知るための情報を提供してくれるものは中々ない。人間なので好き嫌いがあって当然だが、できるだけその感情を押さえることでいろいろな学びが得られるはずである。

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