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 2か月前に始めた社員のブログ。それには主に2つの目的がありました。1つ目は、単純に文章力を上げること。そして、2つ目が社員それぞれの人となりを感じてとっていただくこと。それらは『志高く』と同様です。これまでXで投稿していたものをHPに掲載することにしました。このタイミングでタイトルを付けることになったこともあり、それにまつわる説明を以下で行ないます。
 先の一文を読み、「行います」ではないのか、となった方もおられるかもしれませんが、「行ないます」も誤りではないのです。それと同様に、「おなじく」にも、「同じく」だけではなく「同く」も無いだろうかと淡い期待を抱いて調べたもののあっさりと打ち砕かれてしまいました。そのようなものが存在すれば韻を踏めることに加えて、字面にも統一感が出るからです。そして決めました。『志同く』とし、「こころざしおなじく」と読んでいただくことを。
 「同じ」という言葉を用いていますが、「まったく同じ」ではありません。むしろ、「まったく同じ」であって欲しくはないのです。航海に例えると、船長である私は、目的地を明確に示さなければなりません。それを踏まえて船員たちはそれぞれの役割を果たすことになるのですが、想定外の事態が発生することがあります。そういうときに、臨機応変に対処できる船員たちであって欲しいというのが私の願いです。それが乗客である生徒や生徒の親御様を目的地まで心地良く運ぶことにつながるからです。『志同く』を通して、彼らが人間的に成長して行ってくれることを期待しています。

2023年12月

2024.11.09vol.39 経験の使い方(竹内)

 まず初めに、この文章をご覧になっている皆様へ。更新の遅れや順番の変更といった不誠実が続き、申し訳ございません。そのうえで、今回のものに関しても日を跨いでの更新となってしまっていること、重ねてお詫び申し上げます。この「志同く」は、志高塾がどのような教室であるか、そこで授業をしている講師がどのような者であるか、それらを知っていただくための一つの場所です。そしてそれは予定通りの金曜日にお届けするからこそ、正しく伝わるものになります。そのことを胸に刻み、一つひとつを積み上げてまいります。

 休日にぼちぼちと車の運転を練習している。死角が存在することを認識し、周辺への注意を常に払いながら、近くにも遠くにも目を向ける。こんなのは熟練ドライバーの方からすればもはや体に染みついているレベルのことであろう。人に乗せてもらうときにはただただ気楽に座っているだけだったが、運転する側の目の動きがどれだけ忙しいかを毎回実感している。長距離運転をすることによる疲れや、横断歩道のないところで急に渡ってくる歩行者の恐怖など、これまでもずっと想像できていたとは思うが、「実感」との間には隔たりがあったと気付かされる。時間は有限で、何でもかんでも経験できるわけではないし、ということは全てを「分かる」ことはやはり難しいのだが、でもだからこそ、できる経験はすべきだという考えに至っている。また、想像と実感とに隔たりがあるということは、前者の力をいかに豊かにしていくかが肝要であるということでもある。
 少し違う方向に話が転がりそうだったので早めに戻す。免許を取得した時点では、「家族に緊急事態が発生した時に、近くにいる自分がすぐに動けるように」というそれはそれは殊勝な思いを持っていた。が、家の状況もやや変わり、私がいち早く出張る必要もなくなった。そんなわけで、練習が目的ではなくて別の理由で実家に帰ることがあった時についでに乗っておくか、という向き合い方になってしまっている。目標を見失っているのだ。実際に、合宿所で仲良くなった女性は、駅からやや離れたところが新しい転職先になったこともあり、スムーズな通勤が可能になるようにほぼ毎日練習していたそうだ。朝の時間帯は混雑もするので、日々鍛えられているはずである。一方の自分は現時点で機会が少ないうえに、不慣れであるゆえの操作のぎこちなさも残っているので、やる気よりも「事故でもしたらどうしよう」の不安の方が上回っていってしまう。それを乗り越えるためには、「でも、こうならないといけないんだ」を自分の中に持つしかない。私の場合のそれは「自分の運転で姪っ子と甥っ子を須磨のシーワールドに連れていく」になる。
 まだすべての親御様とのそれを終えたわけではないが、今回の面談では、よく「より先」のことを話した。特に中学受験や高校受験において、志望校に合格することと共に、入学後の生活を充実させることもその子にとって欠かせないことである。ある6年生の男の子は、AとBの2校のうち、その時点での成績ではBは十分に狙えるがAはまだ不透明という状況だったため、Bを第一志望に据えるかという話が一旦出た。しかし、Aを一緒に目指している友人たちの個性が豊かで面白い=そういう子たちがより多く集まるところに進みたいという強い意志のもと、Aを第一志望として走り切ることになった。
 この春から通塾を開始した中3の女の子がいる。バレーボール部に所属しており、7月末に引退するまでは練習や試合の都合で授業を変更することがそれなりにあった。今回の面談は体験授業ぶりにお母様とお話しする機会となり、彼女について色々なことを教えていただけた。特に印象的だったのは、中学でレギュラーメンバーではなかったものの、希望する高校に入学後もバレーを続けたいという意欲を持っていることである。夏休み中の授業時に引退式が行われることを楽しそうに話していたこともあり、中心に立ってやり切ったという達成感があったのだろうという先入観を持ってしまっていた。試合に出られないことが多いと面白くないので、高校では違う部活にしよう、となることはきっと珍しくないはずである。
 しかし、私自身、中学でソフトボール部に所属しており、高校に進学してからもそれを続けた。めちゃくちゃへたくそだったので、中学の間は何もできなかった。振ってしまうとバットにボールがかすらないのでバントするのだが、見切るのが早くてそれも空振り。監督はさぞかし困っただろう。でも、高校ではもう少しできる気がした。実際に、やっとこなした数が見合ってきたのか長打を含むヒットが出るようになって、試合に出られることが増えた。だから、彼女のその選択は、ある時に「こういうことか」になる瞬間を生み出す布石になるかもしれない。そんな思いを込めて、自分の話をした。
 なお、優良ドライバーになるためにまだまだ数が必要なことは、感覚ですでに分かる。

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