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2024.10.22Vol.659 ベトナム滞在記

 「今回は」と言いたいところだが、正確を期するためには、今回も生徒の作文である、とすべきなのだろう。しかも、掲載予備軍の生徒の作文が現在2つ3つ進行中である。それらも添削が終わり次第、順次ここで紹介していく。
 現在高一のA君。小4の頃から通っている。中学受験に本腰を入れる時点で進学塾一本に絞るため、遅くとも6年生の途中で志高塾を辞めると思っていた。受験後も継続する、と聞いたときは正直驚き、そして今なお在籍している。良い方向に予想が外れた一番の生徒かも知れない。会話をしていても読解問題を解いていても、何を聞かれているかを理解しようとしないため、返答や解答の方向性がそもそもずれているということが中3ぐらいまで続いた。その部分での変化が見られたとき、私は「おっ、ようやくちゃんと会話ができるようになったやん。成長したな」という声掛けをしたはずである。時間は掛かっているが確実にできることは増えている。
 率直な意見を述べると、下の滞在記はまだまだである。文章に流れが無いし、もっといろいろな表現を使えないといけない。添削の際にいろいろと指摘をし、A君自身が加筆修正したが、やり過ぎないようにはした。あくまでもA君の作文であるべきだからだ。ただ、自分が経験したことを思い出したり、ネットでいろいろ調べたりしながら試行錯誤して書き上げたことには価値がある。彼がそうやって前向きに作文に取り組んでいる姿を見るのは本当に嬉しい。A君は来年も夏休みに旅行に行き、それについて書く、と決意表明している。1年間で、彼自身がどれだけ成長するか、我々が彼をどれだけ成長させられるか、楽しみにしておいていただきたい。

 新型コロナウイルス感染症の影響で制限されていた海外に久しぶりに行った。これまでは長期で行くことが多かったため、本来であれば長いと思われる1週間という期間も個人的には短いと感じていた。それと同時に、今回の行き先のベトナムは綺麗な街でもなく、事故も多く、治安も悪いというように良い印象がなかった。特に何かを見たい、どこかに行きたいなどの目的はなかった。そのため、食事や環境は特に心配だった。しかし、父が支援していている会社の支社があるという理由で行くことにした。この旅は、父の知り合いでベトナム在住の方にスケジュールを作ってもらったり、同行してもらったりした。送り迎えは、会社のドライバーの方にしてもらった。ここまで予定が決まっていた旅行は初めてで、スケジュールを考える手間が省けて過ごしやすかった。
 心配していた生活環境に関しては、現地に到着して最初に感じたのが人の多さで、タクシー乗り場はスーツケースのせいで通りづらい時もあった。人手不足が問題視されている日本とは違い、ベトナムでは人手が余っているという状況だった。市街地に出てからも移動の時に車窓から見た景色は印象深かった。バイクが大変な数走っていて、事故で破損したままの状態で走っている人もいた。日本では味わえない非日常感に少し恐怖を感じていた。しかし想定外だったのが、宿泊した街がとても綺麗だったことだ。レタントンという地域で、比較的日本人が多く、日本の企業も多数出店している。そこにいる人は基本的に日本語が話すことができ、とても過ごしやすかった。他に心配していた事故や道路の破損による怪我などは意外と少なく、道路も最低限歩けるようには工事されていて、想像を超える居心地の良さだった。
 ゴルフにも行った。元々父が大学時代にクラブに所属していたこともあり、最近僕もゴルフを始めた。知り合いの方もお上手だということで、2回も行った。そこでも人の多さを感じた。なんと1プレイヤーにつき1人キャディさんがついてくれる。ボールやクラブの管理などを任せられるので、贅沢な気分を味わえた。日本のゴルフ人口は500万人強なのに比べてベトナムは4万人程度ということで、現地のプレイヤーは意外と少なかった。そして気温や湿度も高いので、5時半に出発して、朝早くにゴルフをスタートすることにした。しかし、そんな時間帯からバイクで職場に向かう人で渋滞している地域もあった。聞いた話によると、ベトナム人の朝は早いらしい。
 他に心配していたのが食事のことだ。ベトナムの水道水は飲んだらお腹を壊すものだという印象で、飲み物を注文する際に氷を断る必要があると思っていた。しかし、観光客向けの店舗はしっかり市販の氷を使用しているということだ。それを知ってからは何も抵抗なく飲み物を頼めるようになった。その日の夜は、別の知り合いの方と夕食を食べに行った。韓国風の焼肉屋さんだった。このようにアジア圏やヨーロッパ圏からの出店が多く、全体的に美味しく、店舗も綺麗で、心配していた自分が馬鹿馬鹿しくなった。ローカルなフォーという伝統料理のお店にも行った。フォーは鶏がらや野菜を煮込んだスープに素麺のようなものを入れたものだ。比較的日本人の舌にも合う気がする。
 発展途上の地域である2区にもバスで移動して観光した。車体は二階建てで屋根がなくて、景色を一望できた。街にはランドマークという東南アジアで2番目に高いビルがあったり、まだ誰も入居していない高層マンションが立ち並んだりしていた。初めて行った僕でも明らかにこれから成長していくと思える光景だった。現在の主要都市と2区の間は川が流れているが、最近橋が通って行き来しやすくなり、次の中央都市になると世界的に予想されている。現地で買い物もした。髙島屋などの百貨店もあり散策するには十分な環境だった。物価も安く、ほとんどのものが日本より安価で購入できる。さらに、現在ベトナムの金利はとても高く、たくさん利子がつくので、僕の父も行くたびに銀行にお金を預けている。
 父がサポートしている会社のベトナム支店も見学させてもらった。そこではカメラのビント調節機能の実験や、工場やコンビニなどで在庫確認に使われるバーコードスキャナーの開発などを行なっていた。ベトナムは半導体やIT関連が発達している印象だったが、それが確信に変わった。
 現地のIT関連の専門学校のオープンキャンパスにも参加した。そこに通うためではなく、完全に興味本意だった。ベトナムは英語も重視されている国だ。英語での授業ということで、ベトナム語が話せない僕のような人が実際に通っているのか気になっていた。しかし、授業および課外活動がオールイングリッシュだったのは確かだが、生徒はほとんど現地人で、ベトナム語が話せないと厳しいなというのが率直な感想だった。
 東南アジアに進出している海外企業も英語の教育にとても力を入れている。そういった会社が移住者、旅行者むけで塾や語学学校を開いている。今回僕は日本企業が展開している塾に計9時間通って、普段の発音と、フィリピン人講師の方のアクセントの強い独特な発音との違いを知れた。しかし、上記にもある通り、専門学校に入学するにも必要なのはまずベトナム語だ。たが、その文法は英語に似ていて勉強しやすく、住むことはなくても、これからも旅行にでも行く可能性があるので、日常会話くらいは出来るようにしておきたい。
 日本、アメリカ、韓国のように先進国と呼ばれる国はある程度の清潔感を保っている。ベトナムは正直、衛生面に不安が残っているのは確かだ。日本の空港に戻った際にそれを強く感じた。しかし、ベトナムでも自主的に掃除をしている人を見かけたこともあるし、ゴミ箱もたくさんある。観光客を呼ぶには清潔感は欠かせない。ただ、人の多さ、技術の高さを見ていると、世界的に将来が明るい国に指定されていることに強く納得した。現在、工事中もしくは工事予定地がとても多く、次に行った時にあの場所どうなっているのか、完成してるのか、と楽しみにさせてくれる国に魅力を感じたので、また訪越したい。

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